地域への貢献

社会貢献プロジェクト

環境マイスター1級取得者スキルアップ講座の開設とつくば市との連携事業

環境マイスターの育成による地域環境教育の推進および環境保全事業

代表者:生命環境系 上條隆志

概要

本プロジェクトは、環境に対する正しい知識と技能を身につけ、地域社会において環境教育や環境保全の指導者となる市民を育成する事業である。つくば市の水・土.生物などの自然環境、文化・都市環境を習得テーマとし、地域特性の高い環境教育を行う。本事業により認定を受けた環境マイスターはつくば市やNPOが実施する各種事業の中核となって活躍し、市民の環境意識向上及び環境保全活動への積極的な参加に努めることになる。

環境マイスターの育成による地域環境教育の推進および環境保全事業

課題の背景及び活動の内容

つくば市は環境基本条例を制定し、人と自然が共生するめぐみ豊かな環境作りを目指し、各種事業を展開している。これらの事業は、市だけではなく、市民やNGO/NPOなどの協力の下に、正しい知識の理解の元で実施されなければ、効果が上がらない。そのための一つとして、「つくば市環境マイスター育成事業」がつくば市と筑波大学の連携事業として、開始されている。その趣旨は、環境に関する正しい知識と技能を身につけ、地域社会や環境教育の場において環境保全の指導者といえるような行動的な市民に「環境マイスター」という称号を授与し、環境の理解・保全活動への積極的参加を促すことである。

本プロジェクトでは、環境教育を実際に行なっている小中高の教員や環境行政に携わっている市職員、一般市民、各種NGO/NPOに対して、環境教育に必要な基礎的知識や情報、技術を継続的に習得してもらい、つくば市と相補的に効果的な環境教育・事業を展開することを目指している。この過程において、生命環境科学研究科の環境科学専攻と持続環境学専攻を中心とした大学院生が、インターンシップや講義・実習の補助を通して、個々の環境に関する視野を拡大し、グローバルに理解する資質を高めることも期待されている。今年度は、「つくば市の生き物たち」をテーマにして事業を実施する。さらに、1級取得者にスキルアップ講座を開設し、環境マイスターの資質向上を目指す。つくば市と始めることになった。

地域社会にもたらされる成果、効果等

小中高の教員は、出身学部によっては、環境教育に対して専門的な知識をもたないため、児童・生徒に正しい知識を伝達できない場合が生じている。確かに、専門書や普及書によって独学で習得することも可能ではあるが、本プログラムのような講義・実習を受講すれば、質問を行なうなどインタラクティヴな学習を効率的に行なうことができる。また、地域に密着したテーマや基礎的な考え方がわかりやすく解説されるため、「総合的な学習」の指導に直ちに反映することができることは、初等・中等教育に対するリカレント教育のモデルケースともなりうると言えよう。一方、自治体職員が環境関連事業に関する専門知識をもつことは、事業のスムーズな実施と促すと共に、説明責任を全うでき、事業の効果は高まると期待される。また、NPO/NGOや一般市民が環境マイスターに認定されれば、自治体職員と共通の議論の場をもつことができ、質の高い環境関連事業の施行が可能となるに違いない。